住宅ローンの滞納で差押えになった物件は任意売却ができる?具体的な手続きとは
住宅ローンや税金などの滞納が続いたりすると、自宅を差し押さえられることがあります。では、差し押さえられた物件を任意売却することは可能なのでしょうか。今回は、差し押さえになった自宅を任意売却する具体的な手続きや期限などについて詳しく解説します。
差押えになった物件はいつまで任意売却ができる?
税金などの納付ができなかったり、住宅ローンの滞納が続いてしまったりすると、税務署や市町村、保証会社などによって自宅が差押さえをされることになります。
差押えになった自宅でも、債権者の同意があれば任意売却をすることが可能です。そのための具体的な手順や期限について知っておきましょう。
差押え物件を任意売却する流れ
住宅ローンや税金などの滞納が続くと、債権者による差押さえが行われます。差押さえられた物件の任意売却を希望する場合は、まず物件の売却について債権者と交渉して、同意を得る必要があります。
同意を得られたら、不動産会社によって販売活動が行われます。購入希望者が現れたら、売買契約を結びます。不動産に設定されていた抵当権を解除することによって、売却が完了します。
差押え物件を任意売却出来る期限
差押さえられた物件は、いつまでも任意売却ができるわけではありません。任意売却をするためには、期限内に行う必要があります。具体的には、入札の終了日2日前までが任意売却が可能となるリミットです。ただし、期限内であっても入札開始後はスケジュールに余裕がなく、債権者側のメリットも少なくなる為に任意売却に同意してもらえない可能性が高くなります。
住宅ローンの場合、返済の滞納があると、まず1~3か月で「督促状」や「催告状」と呼ばれる、滞納していることを通知する書類が届きます。さらに4ヶ月から6か月ほど滞納すると「期限の利益喪失通知」が届きます。期限の利益喪失とは、分割での返済ができなくなり一括で返済する必要があるという意味です。
一括返済ができなかった場合、債権者が金融機関から弁済を行った保証会社に変更となります。その後、保証会社より差押さえがあり、競売にかけられることになるのです。
競売の申し立てが行われても、開札の期日までにはおおよそ6か月ほどあります。その間に任意売却ができれば競売を取り下げてもらうことが可能です。
競売で入札が終了すると、任意売却ができなくなるので注意しなければなりません。競売の場合、入札最低価格は市場価格の30%~50%ほどと言われていますので、市場価格よりはるかに低い価格で売却される可能性が高いと言えるでしょう。そのため、売却ができても住宅ローンや税金がさらに残ってしまうことも少なくありません。任意売却であれば、市場価格に近い金額での売却が期待できる可能性があります。
しかし、任意売却として売り出しても買い手がつかなければ、競売にかけられてしまうことにも注意が必要です。任意売却における不動産の売却は、一般的な売却と同じ手順で行われ、購入希望者の内覧などを経ることから約2~6か月程度はかかると考えておきましょう。
まとめ
滞納があり差し押さえられると、売却は基本的にはできなくなります。ただし、差し押さえがされた物件であっても、債権者の同意があれば、任意売却をすることが可能です。しかし、債権者の同意があっても任意売却を行うためには期限が限られています。できるだけ早めに専門家に相談して対策を考えることをお勧めします。