持ち家は自己破産したら手放さなければいけない?そのまま住み続けるには…

2022.03.07

自己破産を申し立てた場合、気になるのは持ち家を手放さなければいけないかどうか、ということです。自己破産をした場合、持ち家はどのような扱いになるのか、住み続けたいと希望する場合にはどのような方法があるのかについて詳しく解説をいたします。

持ち家は自己破産後手放す必要がある

住宅ローンや税金などを支払うのができなくなると、自己破産を選ぶという方法もあります。自己破産をした場合、持ち家を手放さなければいけないかどうか、気になる方も多いでしょう。

自己破産は、裁判所に申し立てることで行います。この時、管財事件と同時廃止事件とに分かれます。
管財事件の場合には、裁判所が破産管財人を選任します。破産管財人は債務者の財産を調査し、換価することで債権者に配分していきます。

同時廃止とは、破産手続開始決定と同時に、廃止の決定も行い、手続きを終了するケースのことを指します。

所有している不動産の価値よりも住宅ローンの残債の方が多い、オーバーローンとなっている場合には、換価しても配分できないために、同時廃止になる可能性もあります。

裁判所によって破産管財人が選ばれます。破産管財人は申立人の借金や財産がどのくらいかといった現状を細かく調査します。そして財産の管理を行います。必要とされる物以外の財産を競売にかけ、お金に換えることで、債務者へ分配していきます。

自己破産を選択した場合、基本的に財産は換価されることになります。
しかし個人の場合、自由財産と呼ばれるものは、処分しなくても良く、所持することが認められています。

自由財産とは
①新得財産
②差押禁止財産
③99万円以下の現金
④自由財産拡張が認められた財産
⑤破産管財人が破産財団から放棄した財産
の5つを指します。

①新得財産
裁判所の破産手続開始決定後の時刻以降、新たに取得した財産のことを指します。

②差押禁止財産
生活をする上で必要と思われる財産のことです。冷蔵庫や洗濯機といった家電、寝具や家具などが主なものです。事業をするのに必要不可欠な道具も差押禁止財産となります。

③99万円以下の現金
自己破産においては、99万円以下の現金は、生活に必要な金額として認められています。

④自由財産拡張が認められた財産
① ~③の自由財産の範囲を越えていても所有できる財産のことです。

たとえば、交通の便が悪いエリアで自動車の保有などが挙げられます。生活のためにやむを得ない事情があれば、裁判所に自由財産拡張の拡張の申し立てを行います。必要な財産だと判断され、許可が下りることで保有が認められます。

⑤破産管財人が破産財団から放棄した財産
差し押さえられても、換価処分がむつかしい、手間暇がかかると判断された財産のことを指します。たとえば、不便な場所にあって買い手がつきづらい土地などが挙げられます。

20万円以上の価値があるとされる財産は、すべて処分されることになります。持ち家があれば、当然財産となりますので、その家は手放し、競売にかけられ落札されると、出ていかなければいけません。

自己破産後も同じ不動産で住むには

原則として、自己破産をすると持ち家は手放さないといけません。しかし、住み続けたいと希望する場合には、いくつかの方法があります。

・買い取る
まずは破産管財人の許可を得て、家族や親族に買い取ってもらうという方法があります。弁護士に依頼をして、申し立ての書類を作成してもらう必要があります。買い取りの場合は、購入金額は相場とほぼ同じになることと、家の購入は分割ができず、一括での支払いが条件となります。

・個人再生をする
住み続けたい場合には、個人再生をするという方法もあります。個人再生とは、裁判所の許可を得て負債を減額してもらい、基本的に3年という期間の間に分割して返済していく手続きのことです。税金などは減額されません。所有している財産の価値や負債総額などによっては減額ができないこともあります。

・リースバックをする
家をリースバックするという方法もあります。リースバックとは破産管財人の許可を得て不動産会社に家を売却し、家賃を支払うことで同じ家に住み続けられる方法です。注意点は、リースバックは周辺の相場よりも家賃が高額になってしまうことも多いことです。また家賃の滞納をすれば、賃貸契約の契約解除の理由となり、強制退去させられてしまいます。退去となってしまいます。
リースバックは、数年後には購入者から不動産会社から家を買い戻すことが出来る、いわゆる買戻し特約を付けてもらえる場合もあり、条件となっていることも多く、その場合はそれまでに買い戻す資金を用意する必要があります。一般的には3年~10年の期間で買戻しが出来る期間が設定されています。

自己破産以外の選択肢

自己破産以外の選択肢として個人再生と任意売却があります。

・個人再生とは
住み続けたい場合には、個人再生をするという方法もあります。個人再生とは、裁判所の許可を得て負債を減額してもらい、基本的に3年という期間の間に分割して返済していく手続きのことです。税金などは減額されません。所有している財産の価値や負債総額などによっては減額ができないこともあります。

・任意売却とは
住宅ローン等の借入金が返済できなくなった場合、 売却後も住宅ローンが残ってしまう不動産を金融機関の合意を得て売却する方法です。任意売却は市場価格に近い価格での売却が期待できる売却方法です。

任意売却が可能な期間は、住宅ローンの滞納から競売の入札が終了する始まる前まで、おおよそ1年ほどと限定されています。入札が終了して開札される開始されると任意売却ができなくなりますので、注意が必要です。

この方法の場合には、自宅はなくなってしまいますが担保になる不動産がなくなることで、その後の返済については金融機関で柔軟な対応をしてもらえる場合があり、返済負担を圧縮出来る可能性があります。借入が住宅ローンしかない場合で、返済に悩んで自己破産を検討する場合には任意売却を選択肢の一つとして検討頂くことをお勧めします。

また、任意売却の売却先を親族や個人投資家として先に説明したリースバックを組み合わせることで、そのまま自宅に住み続けることが出来る場合もあります。

まとめ

住宅ローンの支払いが滞り、自己破産をすることになった場合には、基本的には持ち家は財産となり競売にかけられるため、手放さないといけません。しかし破産管財人の許可を得て、家族に売却したり、個人投資家や不動産会社とリースバックの契約をすることで、そのまま住み続けることも可能です。また、任意売却をするという方法もあります。不動産会社や専門家に早いうちから相談をして、ご自身の状況にあった最適な方法を見つけましょう。

この記事を書いた人

松原元

松原 元(まつばら つかさ)

金融会社、不動産会社、コンサルティング会社などで経験を積み個人事業として『社労士・行政書士つかさ事務所』にて中小企業の経営支援をおこないながら、(株)リーガルシンクにて不動産を中心としたコンサルティングサービスを提供。

公認不動産コンサルティングマスター 宅地建物取引士

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

社会保険労務士 行政書士

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