共有名義の不動産は任意売却できる?手続きをするうえで注意すべきポイントとは

2022.03.11

不動産を購入する際、夫婦や親子でお金を出し合って共有名義にしている人は少なくありません。名義が共同となっている不動産は任意売却ができるのでしょうか。手続きをすすめるにあたって、気を付けるべきポイントについて、詳しく解説をいたします。

共有名義の不動産とは

不動産を購入する場合は、夫婦や親子など、複数の人で資金を出し合って購入することは珍しいことではありません。複数人数で不動産を購入すると、共有名義として登記をおこないます。

登記簿には、誰がどれだけ権利があるかという、持ち分と呼ばれる所有権の割合が細かく記載されています。

共有名義の不動産を任意売却することは、結論から言うと、可能です。しかし売却のためには、共有名義となっている人全員の同意がないと金融機関からの承諾を得ることは難しいです。

共有名義の不動産を任意売却する手順

共有名義となっている不動産を任意売却することを決めたら、どのような手順で進めていけばよいのでしょうか。

共有名義の不動産を任意売却する流れや注意点を見ていきましょう。

1. 名義人の同意を得る

共有名義となっているすべての人の同意を得て、売却を進めることが必要です。たとえば本人が90%、配偶者が10%と比率が大きく違っているとしても、どちらか一方だけでは上手く売却を進めることは出来ません。。

2. 債権者の承諾を得る

任意売却の場合は、共有の名義人だけでなく、債権者となる金融機関や保証会社へ、売却についての承諾も必要となってきます。金融機関等は、住宅ローンの申し込みに不動産を担保にとっているので抵当権を持っています。最終的に、抵当権等の担保が解除することが売却の条件となりますので、抵当権等の解除について金融機関等の承諾を得なければ売買が成立しません。

一般的には、任意売却をする場合は、所有者と債権者の間に不動産会社が入って売却金額などについて協議を行うことになります。

3. 売却活動

共有名義人すべての同意を得て、債権者の承諾を得て抵当権の解除が出来る見込みがでれば、不動産会社によって、売却活動が開始されます。

ここからは通常の不動産売買と同じ手順で行われます。不動産会社が購入希望者を探していき、希望者が現れれば内覧などを行います。そして購入者が決定すれば、売買契約を結びます。

4. 引き渡し

売買契約が完了して物件を引き渡すことで、売却手続きが完了します。明け渡し日は購入者と話し合って決定するため、文面など形に残るように準備した上で引き渡しを行いましょう。

売却した時点で、住宅ローンの残債が明確になります。売却価格から債権者へ返済をしても、なお残債があるという場合は珍しくありません。そのため、残った債務をどのように返済していくか、債権者と話し合いを行い、月々の返済額などを決めていきます。

共同名義の不動産を任意売却する流れと注意点

不動産を購入する際、夫婦で資金を出し合って、共同名義にしているというケースはよくあります。しかし離婚をすることになった場合、住宅ローンの支払いが残って、名義が共同のままでいると、離婚をした後も不動産の管理や処分をめぐってトラブルになったり、連絡が取れないといった問題が起こることもあります。

トラブルを避けるためには、離婚にあわせて任意売却をすることで、共同名義の問題をあらかじめ解消することをお勧めします。

まとめ

共同名義になっている不動産の任意売却を検討することになった場合には、名義となっている人全員が納得していないと、売却ができません。また、物件の債権者である、金融機関等からも承諾を得て、抵当権等を解除してもらう必要があります。不動産会社や任意売却に詳しい専門家と相談しながら、スムーズな売却を進めていきましょう。

この記事を書いた人

松原元

松原 元(まつばら つかさ)

金融会社、不動産会社、コンサルティング会社などで経験を積み個人事業として『社労士・行政書士つかさ事務所』にて中小企業の経営支援をおこないながら、(株)リーガルシンクにて不動産を中心としたコンサルティングサービスを提供。

公認不動産コンサルティングマスター 宅地建物取引士

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

社会保険労務士 行政書士

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